| 法律 |
| 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。 |
| 一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認 |
| 法律の解釈 |
| @「重要事項」とは、 |
| 消費者契約に係る次に掲げる事項であって消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきものをいう。 |
1.物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの
質、用途その他の内容 |
2.物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの
対価その他の取引条件 |
| 「物品」 とは、有体物たる動産をいう。例えば、自動車、電気製品、化粧品、絵画。 |
| 「権利」 とは、一定の利益を請求し、主張し、享受することができる法律上正当に認められた力をいう。例えば、スポーツ施設を利用する権利。) |
| 「役務」 とは、他人のために行う種々の労務又は便益の提供をいう。例えば、住宅建築請負、結婚情報サービス、予備校。) |
| 「その他の当該消費者契約の目的となるもの」 とは、これら3つの概念には必ずしも含まれない給付の対象(例えば、不動産、無体物(電気など))をいう。 |
| 「質」 とは、品質や性質をいう。例えば物品の質として、性能・機能・効能、構造・装置、成分・原材料、品位、デザイン、重量・大きさ、耐用度、安全性、衛生性、鮮度。役務の質として、効果・効能・機能、安全性、事業者・担当者の資格、使用機器、回数・時間、時期・有効期間、場所。 |
| 「用途」 とは、特徴に応じた使いみちをいう。例えば物品の用途として、コンピューターがオフィス用のものか個人用のものか。役務の用途として、予備校の講義が大学受験用のものか高校受験用のものか。 |
| 「その他の内容」 とは、これら2つの概念には必ずしも含まれない、当該消費者契約の目的となるものの実質や属性(例えば、物品の原産地、製造方法、特許・検査の有無)をいう。 |
| 「対価」 とは、ある給付の代償として相手方から受ける金銭をいう。割賦販売価格、現金支払以外の方法による場合の価格、本体価格に付随する価格(例えば、配送費、工事費)などを含む。)を掲げている。 |
| 「その他の取引条件」 とは、対価以外の、取引に関して付される種々の条件(例えば、価格の支払時期、契約の目的となるものの引渡・移転・提供の時期、取引個数、配送・景品類提供の有無、契約の解除に関する事項、保証・修理・回収の条件)をいう。 |
| A「事実と異なること」とは、 |
| 告知の内容が客観的に真実又は真正でないことをいいます。 |
| 従って、主観的な評価であって、客観的な事実により真実又は真正であるか否かを判断することができない内容は、「事実と異なること」の告知の対象にはなりません。 |
| 客観的な評価例 |
| 「不実告知」に該当する。 |
| ■実際には事故車であるのに、「事故車でない。」と説明を受けた。 |
| ■「築5年である」旨の説明だったが、実際は築10年であった。 |
| ■「当センターの派遣する家庭教師は、東大生です。」と勧誘されたが、東京大学以外の大学の学生だった。 |
| ■「いつでもやめられる」という説明だったので申込んだが、後に4年以内は解約できないということが分かった。 |
| 主観的な評価例 |
| 「不実告知」に該当しない。 |
| ■「安い」 |
| ■「お買い得」 |
| ■「新鮮である」 |
| ■「ヒールが硬い」 |
| ■「居住環境に優れた立地」 |
| ■「当社のマンションは安心」 |
| ■「この映画を見れば絶対に感動する」 |
| 重要事項の具体例 |
| 重要事項に該当するもの |
| ■英会話教室の勧誘において、日本語を母国語とする日本人であるものをアメリカ人であると告げること。 |
| 「消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの」と考えられるので、本法第4条第1項の要件に該当し、取消しが認められる。 |
| ■「A社のOS版のソフトです」と説明されたので購入したソフトウェアだが、B社のOS版のソフトウェアだったので、自宅のパソコンでは使用できなかった。 |
| 一般平均的な消費者であれば、ソフトウェアが自分の使用しているパソコンで使用できなければ購入を差し控えると考えられる。したがって「消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの」に当たり、重要事項である。重要事項について、真実と異なることを告げている(A社のOS版のソフトですと告げたこと)ので、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。 |
| ■2000年から使えるゴルフ場付との説明を受けてリゾートクラブの会員権契約をしたが、ゴルフ場は2002年以後でなければオープンできない状況にあることがわかった場合。 |
| 但し、他の施設の利用をメインとしている場合には、重要事項に該当しないこともあり得ます。 |
| ■印鑑を買えば病気に罹らないと説明をされて、印鑑を購入した場合 |
| 契約目的物の効能について事実と異なる事を告げているので、不実告知に該当します。 |
| ■今ならキャンペーンで半額と言われ、エステ契約をしたが、当該サロンはいつも半額キャンペーンをやっていることがわかった。 |
| 契約の対価に関して事実と異なることを告げており、重要事項に該当します。 |
| ■進学塾の説明会では「マンツーマン方式」(2〜4人)で能力に合わせた指導をするということで契約したが、実際には10人以上で質問にもろくに答えないような状況であった場合。 |
| ■「これは復刻版の最後の一枚で、二度と手に入らないと言われて絵画を購入したが、実際いは同一の絵が数多く出回っていた場合。 |
| ■「あたなのお肌に合った化粧品を調合する。」ということで購入したところ、特別に調合したような化粧品ではなかtった場合。 |
| 重要事項に該当しないもの |
| ■英会話教室の勧誘において「当校の講師は全員アメリカ人です。」と告げられたが、イギリス人の講師がいた。 |
| 英会話教室の契約において、講師がどこの国の人かは英会話教室の契約の質にあたり、イギリス人であるものをアメリカ人であると告げることは「事実と異なることを告げること」に該当するが、「消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの」ではないので、第4条第4項の要件に該当せず、取消しは認められない。 |
| ■自宅を訪問してきたセールスマンに、「今使っている黒電話は使えなくなる。毎月1000円払えばよいので新しいものと交換するように。」と言われて、新しい電話機を契約した。 |
| 「今使っている黒電話は使えなくなる。」と告げることは「事実と異なることを告げること」にあたるが、今使っている黒電話は「当該消費者契約の目的となるもの」ではなく、第4条第4項の要件に該当しないので 取消しは認められない。 |
| ただし、民法の詐欺にあたる可能性がある。 |
| ■「やる気にあふれた家庭教師を派遣します。」と説明されて契約したが、やる気の無い家庭教師だった。 |
| 「やる気の有無」や「能力の高低」は客観的判断ができない事項であり、不実告知には該当しません。但し、「大学院生」「東大生」という説明の場合は不実となります。 |
| ■占い師に「運勢を変えるためには印鑑を買うしかない。」と言われ契約した場合。 |
| 「運勢」は客観的判断ができない事項であり、不実告知には該当しません。 |